一年前のワーク中、
差し出された母親からの手に、
「いまさら・・・」
「絶対無理です」
と、頑なに背を向けていたKさん(仮名)。
あの時は、全く動きそうになかった心。
子どもの頃、
手をつないでほしかったのに、
振りほどかれた手。
親からすると、
傷つけるつもりなどなかったとしても
子どもの心には深い痛みとなって
残り続けます。
こういったことは、
どの親子でも、度々起こります。
子どもの愛情表現が妨げられたとき、
Kさんの場合、手を振りほどかれたときに
ビクッとして釘付けとなり、
筋肉に宿ってしまった記憶から、
誤った身構えを習慣化することによって、
エネルギーの流れは
遮られてしまうようです。
そこを解いていくには、
もう一度、その時点からの
歩みが重要ですが、
決して受け身ではなく
カタチだけでもなく
心を一致させてそこに辿り着くには、
その人にとっての必要なプロセスがあると
感じています。
あれから一年のプロセスを経て、
その一歩の歩みが
ふいに訪れたのは、
個人セラピーや
講座、コンステレーションを経て、
振り返り勉強会を経て、
講座時のプチワーク中のこと。
テーマにしていたわけでもなく、
意図したわけでもないのに、
必要なことは
ベストなタイミングで起きてくるのでしょう。
母親から差し出された手に、ついに自ら歩み寄り
泣いて泣いて、溶けていく・・
「予想もしていなかった展開で・・・」
と、Kさん自身、驚いている様子。
これまでの積み重ねが水面下で後押しするように、
踏み出すことのできた一歩は、
たったの一歩ですが、
本当に大きなかけがえのない一歩。
変容は誰にでも可能ですが、
歩み続けられる人はごくわずかだからこそ、
「奇跡」のように見えるのかもしれません。
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